風呂敷の魅力で子育てママを笑顔にしたい!
子育て中は荷物が多いもの。日本に古くから伝わる風呂敷の万能さを広く伝えることで少しでも悩みを軽減し、一人でも多くのママを笑顔にしたいー。ママによるママのための「ゆいく(結育)」。その想いを伺いました。
結び屋ゆいく
講師 栗田ゆき(くりたゆき)さん
『結び屋ゆいく』の講座を受けるにつれ、風呂敷の便利さを実感し、2016年から「ゆいく先生(風呂敷講師)」として参加。広報窓口も担当し、多数メディアにも出演。自身で手稲区の編み物ママサークル「コロン~ていねママ部~」を主宰する他、「子どものいのちを守り隊」として防災ママカフェの実行委員を務めるなど、多方面で活動中。
風呂敷を子育てへ応用、広がる可能性
―『結び屋ゆいく』が生まれたきっかけを教えてください。
「たった一枚の風呂敷で育児が楽になる」という想いから、2014年に『結び屋ゆいく』は設立されました。代表を務める智田さくらが初めての子育てで荷物の多さに戸惑っていたところ、昔から自分が使っていた風呂敷が子育てにも使えることに気付き、風呂敷や手拭いの活用術を伝える活動を始めたことがきっかけです。しかし、周りの多くのママが風呂敷の万能さを全く知らなかったため、日常生活のあらゆる場面に使える風呂敷と子育てをつなぎ、便利な使い方をママ世代に伝えたいと考えたのです。現在、『結び屋ゆいく』は10人で活動しています。これまでに風呂敷や手拭いに関する講座を100回以上開催し、その受講者は1,000人にも及びます。私はもともとは『結び屋ゆいく』の受講生でしたが、今では風呂敷や手拭いの使い方を教える講師です。活動を知るまでは、風呂敷を一枚だけ持っていただけで自分では使えずにいましたが、興味を持って教わるうちに、やがて積極的に生活に取り入れるようになりました。
(写真左)「風呂敷と子育てをつなぎたい」という想いから、基本的に講座は子連れOK。(写真右)風呂敷の他、手拭いのワークショップも開催。ママ世代だけでなく、ご年配まで幅広い年齢層に対応。―現在の活動内容を教えてください。
ママを対象とした子育てや生活に便利な風呂敷の活用講座を開催しています。それ以外にも地域住民向けの講座も用意しており、「防災de風呂敷」という講座では災害時に便利な活用方法を伝えています。例えば、普段は風呂敷を防災バッグとして使用し、持ち出した先では結んでエコバッグに、内側にビニール袋を合わせるとバケツにも早変わりするといったものです。災害時には荷物を多く持ち出すことが難しいですが、避難時の防寒や日よけはもちろん、荷物の目隠しにもなるため、かさばらないという風呂敷の利点を十分に活かすことができます。
その他にも、イベントへの出展を数多く行っています。2017年に開催された「ハッピーママフェスタ札幌」では、初の試みとして『結び屋ゆいく』のキャラクター「ゆいくちゃん」のイラストを入れたイベントオリジナルの風呂敷を京都の風呂敷メーカーとのコラボレーションで作成しました。また、『結び屋ゆいく』メンバー以外の主要なイベントスタッフのママたちにも事前に風呂敷の使い方を伝え、開催当日はその全員が実際に会場で風呂敷を身につけることで、イベント参加者にも良さを知ってもらえるようPRを行いました。また、活動と風呂敷活用術を広く伝える目的で、無料のリーフレット「結育(ゆいく)」を配布しています。第一弾は自費で5,000部を作成しましたが、第二弾は初めてクラウドファンディングで出資を募ったところ、厚い支援を受け10,000部を発行することができました。北海道だけでなく全国の子育て関連施設やカフェへの配布を行うなど、活動の周知にも力を入れています。現在は増刷をかけ、ママをはじめ幅広い年齢層の方々にも手に取ってもらえるよう、情報を発信し続けています。
風呂敷が結ぶ縁と絆、子育てママから次世代へとつなぐ想い
(写真左)使用する場面や子どもの成長に合わせ、たった一枚の風呂敷がさまざまに変化。(写真右)子ども用の他、大人用リュックにすることも可能。講師によっても内容が異なるため、いろいろな講座を受けたいというリピーターも。―「風呂敷」の魅力は何ですか?
風呂敷は実生活に密着した、最も手軽に学べる日本文化の一つです。風呂敷のサイズは用途に合わせて10種類以上あり、日本人らしい「包む、結ぶ、彩る」が一枚の布で展開できることが最大の魅力です。子どもの授乳期には、私も自分にしっくりくる授乳ケープがなかなか見つからず大変苦労したため、風呂敷の活用方法を知った時には「もっと早くに出会っていたら」と思いました。ベビーグッズは一つ一つの使用期間が短いことに比べ、風呂敷は子どもの成長に合わせて使うことができます。一枚の風呂敷を赤ちゃんの授乳ケープとして使い始め、やがて子ども用のリュックに結び変え、公園に出かけた際には芝生に敷くレジャーシートとして使い、成長したら今度はママがエコバッグとして使用するなど、風呂敷が子育てとつながり、長く使えることが子育て中のママには何より嬉しいポイントです。今は、従来の風呂敷というイメージをくつがえすような素敵なデザインや現代風にアレンジされた素材のものも増え、エコでオシャレな便利アイテムとして若いママにも受け入れられやすくなっています。
―活動をする上で大事にしていることはありますか?
風呂敷の活用方法を子育てママ世代に伝えることで、子どもたちやその次の世代まで日本の知恵と技、そして文化をつないでいきたいと考えています。古くから「結ぶ」という行為は、縁を結び、幸運を留めるという意味があり、日本人は「結い」という言葉が示す「結びつき」や「助け合い」を大事にしてきました。「ゆいく(結育)」には、風呂敷を通じて、親子の絆や人との縁を結び、仲間と手を結び合って子育てママを応援したいという想いが込められています。
風呂敷と子育てをつなぎ、一人でも多くのママを笑顔にしたい
―今後の目標は何ですか?
設立当時からの変わらぬ想いとして、風呂敷を通じて、一人でも多くのママが笑顔になる手助けをしたいというのがあります。そのためには活動を広く知ってもらう必要があり、まずは興味を持ってもらえるよう、イベントではワンコインなどのお手軽な金額で風呂敷や手拭いの簡単な活用法を伝えるようにしています。また、講座やワークショップを開催し風呂敷と子育てをつなぐことで、ママたちがリフレッシュしたり、達成感を得ることができる学びの場となることを目指しています。実践的な風呂敷の知識が生活をより便利にし、楽しい時間を与えてくれる存在となれば嬉しいです。私たちが活動を続けることで風呂敷を広く知ってもらい、「多くのママの荷物や育児の負担を少しでも軽くしたい」という目標をこれからも変わらず掲げていきます。
結び屋ゆいく (団体ページへ)
■ 電話 | 050-5308-2035 |
■ メール | info.yuiku@gmail.com |
■ ホームページ | https://yuiku-sapporo.amebaownd.com/ |
■ 公式ブログ | http://ameblo.jp/yuiku-sapporo/ |
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今後の開催予定
現在、依頼を受けて毎月講座やワークショップを開催する他、イベントへの出展を行っている。不定期で自主開催のワークショップも実施。日程や詳細は、団体ホームページまたはブログなど各種SNS へ。問い合わせ、参加や登録の申し込みはメールまたはホームページのフォームで受け付け。
取材を終えて
子育て中は特に、ママは子どものためにあれもこれもと必要な物を荷物に詰め込みがちです。日本に古くから伝わる風呂敷が子育てとつながり、たった一枚で何役をもこなす素晴らしい味方に変わることで救われるママは多いと思います。講師である「ゆいく先生」は全員が子育て経験者であり、助産師経験を持つ先生もいるため、講座に参加するママが悩みを共有し、情報交換ができる場としてもママたちを笑顔にしているのだと感じました。
※2017年11月20日現在の情報です。