総合型地域スポーツクラブ

未来を紡ぐ人
認定特定非営利活動法人北海道バーバリアンズラグビーアンドスポーツクラブ
クラブキャプテン 上坂弘文さんにお話を伺いました。

認定特定非営利活動法人北海道バーバリアンズラグビーアンドスポーツクラブ クラブキャプテン 上坂弘文 (うえさかひろふみ)さん 吉田三千代さん

認定特定非営利活動法人北海道バーバリアンズラグビーアンドスポーツクラブ
クラブキャプテン 上坂弘文 (うえさかひろふみ)さん

小樽商科大学ラグビー部時代に、現在のチームの前身である創立時チーム「ボーミッツ」(※)と対戦。健康上の理由から現役を退くも、2010年より札幌に居を構え、クラブチーム「北海道バーバリアンズ」をサポート。2016年より認定特定非営利活動法人北海道バーバリアンズラグビーアンドスポーツクラブ(以下、「北海道バーバリアンズ」)クラブキャプテンを務める。


※「ボーミッツ(Vomits)」は、日本語で嘔吐するという意味。メンバーでお酒を飲んだ翌日の練習時、気分が悪くなることに由来。1987年、第1回ラグビーワールドカップ観戦時、試合出場のため、チーム名を現在の「北海道バーバリアンズ」に変更。

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同じ志を持つ人が、集える場所をつくりたい。

1975年、現クラブキャプテンの上坂さんが所属していた小樽商科大学との対戦時(写真左)。2007年、NTT東日本株式会社から念願のホームグラウンド(札幌市南区定山渓)とクラブハウスを取得(写真右)。 1975年、現クラブキャプテンの上坂さんが所属していた小樽商科大学との対戦時(写真左)。2007年、NTT東日本株式会社から念願のホームグラウンド(札幌市南区定山渓)とクラブハウスを取得(写真右)。

―「北海道バーバリアンズ」の誕生は?

 1975年に、高校の授業でボールに触ったことがある、というだけで集まった5人の若者が、「飲んでばかりじゃなくて、身体にいいことやろうよ」ということで、「ボーミッツ」というラグビーチームを創立しました。私はその頃大学生で、ちょうど創立時のメンバーと対戦しています。私自身は、その頃から始まった付き合いが縁で、今このクラブに入っています。

―1999年、スポーツ団体として日本初の特定非営利活動法人(NPO法人)認証を受けておられますが、そうした組織を作られたきっかけを教えてください。

 きっかけは1987年の第1回のワールドカップですね。創立時のメンバーが、開催地のニュージーランドへ見に行きました。当時のクラブキャプテンやワールドカップを観戦したメンバーからは、ニュージーランドのラグビーチーム、クラブ組織を見て、ラグビー観が変わったと聞いています。

―観戦されたメンバーは、何をご覧になられたのですか?

 芝生のグラウンドが続いている中に、子どもから年を取った方たちまで、年代を問わずラグビーをする選手がいる、そういう風景ですね。グラウンドでプレーをして、プレーが終わるとクラブハウスで話をしたり、ビールを飲んだり…そういう場所を作りたい。志を同じくするような人が集える場所をつくりたい、それがクラブ設立の第一の目的だったのではないかと思います。

 それから8年後の1995年、創立20周年記念ニュージーランド遠征を実施し、2007年には定山渓(札幌市南区)に念願のグラウンドとクラブハウスを取得することができて、2009年にはグラウンドの芝生化も実現しました。

―昨年は、さらに認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)格も取得されていますね。

 「北海道バーバリアンズ」はこの定山渓に来てから、町内会や観光協会の方々、それから札幌市にもいろいろ援助をいただきながら、地域とのつながりを作ってきました。そうした中で、やはり定山渓に根差したクラブチームでありたいという確信を深め、さまざまな取り組みを行ってきました。認定NPO法人となったことは、そうしたこれまでの取り組みや地域からも支援をしていただいた結果だと思います。

一生を通じてスポーツとつきあえる、総合型地域スポーツクラブ。

UUnder19では幼児から高校生までがラグビーを楽しむ(写真左)。アイスホッケーはジュニア・シニアともに活躍、創立メンバーにして生涯現役のラガーマン谷黒正明さん68歳(写真中央上)。今年、第24回全国クラブラグビーフットボール大会にて2度目の優勝を果たしたAチーム(写真中央下)。日本ラグビー協会のパートナークラブとして地域における7人制・女子の強化推進にも取り組む(写真右 Under19では幼児から高校生までがラグビーを楽しむ(写真左)。アイスホッケーはジュニア・シニアともに活躍、創立メンバーにして生涯現役のラガーマン谷黒正明さん68歳(写真中央上)。今年、第24回全国クラブラグビーフットボール大会にて2度目の優勝を果たしたAチーム(写真中央下)。日本ラグビー協会のパートナークラブとして地域における7人制・女子の強化推進にも取り組む(写真右)。

―創立から42年、今、「北海道バーバリアンズ」内には、たくさんのチームがありますね。

 はい。まず、クラブとしての中心はラグビーですが、最初チームは一つだけでした。しかし、選手が集まりだんだん実力が上がってくると、創立以来のメンバーが試合に出られなくなりますよね。すると、その人たちが試合に出たいので少し年齢の高いBチームを作る、さらに年月が経つとまた年を取るので今度はCチームを作る――こうして、年を取ってもずっと現役で活躍できるフィールドを作り続けている仕組みがあります。

 さらに2002年、今度は若い年代のためのジュニアチームを作り、子どもたちを集めて、ラグビーに親しんでもらう取り組みを始めました。ラグビーワールドカップで南アフリカに勝ったり、リオデジャネイロオリンピックで日本チームが活躍したり、そういうこともありラグビー人気が高まって、今、100名くらいのジュニアの選手が、私たちのグラウンドに来ています。基本的には夏、芝生が緑の季節に土曜日と日曜日に、集まって練習や試合をしています。

 そしてもう一つ、2011年から女子のラグビーチーム「ディアナ」を作りました。なかなか女子のラグビー人口は増えていないので、きちんとした15人のチームを作れるのは私たちのチームだけなのですが、全道各地からも頑張っている女子の選手を集め、ここを拠点に一緒に試合や育成に取り組んでいます。

―ラグビー以外のスポーツも楽しめるのですか?

 総合型地域スポーツクラブ(※)として、地域の人々に、年齢や関心、技術技能レベルに応じた様々なスポーツ機会を提供しています。ラグビーの他に、アイスホッケー、障がい者スポーツ、クロスカントリー、クリケット、パークゴルフに参加することができます。
※2012年3月文部科学省策定の「スポーツ基本計画」に示された『多種目』『多世代』『多志向』のスポーツクラブ。公益財団法人日本体育協会が育成・普及に取り組んでいる。

 アイスホッケーについては、ジュニアとシニアチームがあります。ただし、グラウンドでアイスホッケーという具合にもいかないため、市内や近郊のスケートリンクや体育館を練習場として活動をしています。道内強豪の壁はまだまだ破れていないところがありますけれども、彼らもいずれは北海道を代表するようなチームになってくれるのではないかと思います。

 また、クロスカントリースキー(シットスキー)(※)で平昌パラリンピックへの出場を目指す新田のんのさんも、北海道バーバリアンズの一員です。車いすマラソンなど、障がいがあっても一緒に練習や試合に参加できるのが、私たちのクラブです。北海道バーバリアンズは、誰もが一生を通じてスポーツを続けていける拠点となるために、地域社会での更なる認知と活動のひろがりを目指して法人化し、ホームグラウンドを取得しました。スポーツを通して地域に貢献することが、クラブの大きな目標であるのです。
※特注シットスキーと専用ストックを使って滑走し、タイムを競う競技。2本のスキー板に座る部分(シット)を連結した特注の競技用具で、腕の力だけを頼りに推進します。

次なる夢を、定山渓から子どもたちへ。

地域の「ゴミ0の日」運動&植樹祭には、ジュニアからシニアまでクラブメンバーが参加(写真左)。雪の遊びを楽しむ2016年の「定山渓雪三舞(ゆきざんまい)」では、バーバリアンズグラウンドを会場に、チューブすべりや犬ぞり、スノーラフティングを実施(写真右)。 地域の「ゴミ0の日」運動&植樹祭には、ジュニアからシニアまでクラブメンバーが参加(写真左)。雪の遊びを楽しむ2016年の「定山渓雪三舞(ゆきざんまい)」では、バーバリアンズグラウンドを会場に、チューブすべりや犬ぞり、スノーラフティングを実施(写真右)。

―今年は、創立メンバーのラグビー観を変えた、ニュージーランドでのワールドカップから、30年目の年ですね。

 そうですね。ラグビーで言えば2019年にワールドカップがあり、札幌もその開催地のひとつに決定されています。また札幌市はそのキャンプ地にも立候補しているので、そのお手伝いができればいいなと思っています。そして札幌に、日本代表はもちろんラグビーの本場であるニュージーランドやオーストラリアの選手が来てくれることで、ラグビーをやってる人たちの刺激になればと思います。それを機会にラグビーを知っていただいたり、取り組んだり、ボールに触ってみたり、そういう方たちが増えていくことを楽しみにしたいと思います。

―ラグビーチームは、全国リーグで何度も優勝しているとお聞きしています。

 企業チームのトップリーグとはグループが違いますけれど、全国にあるクラブの対抗戦ではトップの実力を維持して頑張っていると思います。リオデジャネイロオリンピックでは、私たちのクラブに所属をしていたロテ・トゥキリ選手(現在はクボタスピアーズ所属)が、オリンピック代表になって活躍をしてくれましたし、代表合宿に呼ばれている選手も何人かいます。男子だけではなく、女子のチームでも、そういう選手が育ってきていると思います。

 願わくば、ここでラグビーを始めた子どもたちが、高校、大学を経て、クラブの名前で代表になってもらうというのが、やはり私たちが考えている次の大きな夢の一つです。

―ホームグラウンドの地、定山渓への思いをお聞かせください。

 春に定山渓で植樹祭があるのですが、グラウンドの周りを桜の名所にしたいと思い、植樹をしています。その前に定山渓一帯をみんなでゴミ拾いするのですが、地域の方たちがクラブに来て、おにぎりや豚汁などの食事を提供してくれています。

 夏からは、「ピリカモシリ セブンズラグビーシリーズ」など、私たちのチームも幾つか定山渓で大会を開きます。大会には、地域の方々にも来ていただいて、ゲーム後はバーベキューをしたりして、一緒に食事を楽しみます。

 冬、定山渓では「雪灯路(ゆきとうろ)」や「雪三舞(ゆきざんまい)」のお祭りがありますが、選手たちも灯路を作り、去年は私たちのグラウンドがイベント会場にもなっています。また、餅つき大会にも、町内会の人たちが来てくれて、一緒に室内練習場でゲートボールやパークゴルフを楽しんだりしています。

 私たちが定山渓に来たことで、どれくらい地域に対してサポートができているかはわかりませんけれど、そんな風に人が集まれる場所としてこの施設が役立ってくれればいいなと思っています。

―まちの景色が、スポーツで変わっていくのですね。

 そうですね。ワールドカップや2020年の東京オリンピックに向けて、ラグビーの日本代表やいろいろな国のチームがこの地を訪れたり、大学チームも合宿に来てくれたりすることで、定山渓の風景も、景色も、変わっていくのではないかなと期待しています。

認定特定非営利活動法人北海道バーバリアンズラグビーアンドスポーツクラブ (団体ページへ)

認定特定非営利活動法人北海道バーバリアンズラグビーアンドスポーツクラブ

自然に恵まれた定山渓グラウンドは、敷地内に、ラグビー場、サブグラウンド、クラブハウス、メモリアルハウス、パークゴルフ場を備えてます。


【グラウンド】札幌市南区定山渓569番8
◎お問い合わせ
【本部事務所】札幌市中央区北10条西24丁目3番地AKKビル6
info@hokkaido-barbarians.com

1975年 北海道・小樽で、ラグビー未経験者の5人がチームを創立。
1987年 第1回ワールドカップ観戦、本場のラグビーを体感する。
1995年 創立20周年記念ニュージーランド遠征を実施。
1998年 全国クラブラグビー選手権大会初出場。
1999年 スポーツ団体として初となるNPO法人格を取得。
2002年 ジュニアチームとOver35チームを立ち上げ。
2007年 NTT東日本からグラウンドとクラブハウスを定山渓地区に取得。
2008年 クリケット・パークゴルフ・クロスカントリースキーの3種目を取入れ、 地域に密着した総合型クラブへ。
2009年 助成制度を活用し、グラウンド2面を芝生化。
2010年 日本ラグビー協会セブンズブロックアカデミーの北海道ブロックパートナークラブに認定。
2011年 女子チーム「 ディアナ 」立ち上げ。ジュニア・アイスホッケーチーム立ち上げ。
2012年 ピリカモシリ セブンズラグビーシリーズ 第1回北海道バーバリアンズ7`sトーナメント大会 開催。
2013年 全国クラブラグビー選手権大会 優勝。(出場16回目にして初栄冠)
2014年 ピリカモシリ セブンズラグビーシリーズ 第3回北海道バーバリアンズ7`sトーナメント大会 優勝。ニュージーランドとの交換留学生派遣事業を開始。
2015年 北海道出身のラグビー元日本代表井沢義明さんの魂が宿るメモリアルハウス竣工。
2017年 全国クラブラグビーフットボール大会 3大会ぶり2度目の優勝。

活動概要

  • ラグビーフットボール(Under40、Over40、Under19[高校生・中学生・小学生・幼児]、女子)
  • アイスホッケー(ジュニア、シニア)
  • 障がい者スポーツ(車いすマラソン、クロスカントリー他)
  • クロスカントリースキー
  • クリケット
  • パークゴルフ
(取材・文・編集 総合商研株式会社)
※2017年3月24日現在の情報です。