藍染めをつくる

まちづくりクリップ
手染め・手織り・手芸――支えあって生み出す札幌の藍染め文化

藍染め

 徳島の特産である藍は、明治初期に北海道に渡り、藍づくりも産業も一時は本場をしのぐほどだったと言われています。「工房はまなす」が、藍染めを始めたのは1988年。工房開設と同時に札幌市北区で盛んだった「札幌の藍染め文化を再興させよう」という思いがありました。そして今、ここから、藍染めをはじめ札幌発祥のたまねぎで染めた、3つの札幌スタイル認証製品が生まれています。工房はまなすの活動は、人の手で染め、染めた糸で織り、そして手仕事で製品として仕上げること。ものづくりを通して就労での生きがいを見つけることが目標です。ボランティアの方々、身体にハンディを持つメンバー、見守ってくれる地域の方、みんなの力を合わせ、今日も「札幌の藍染め」が生まれています。
※同じデザインのランチョンマットでも、藍染めと生藍染め、たまねぎ染めの種類があります。薄水色は生藍染め、薄茶色は札幌黄の皮で染め上げた製品です。

1年を通して藍染め作業が行われています。

 染め工房(写真左)で藍の葉を発酵、乾燥させた「すくも」に薬品や水を加え、糸や生地を漬け込みます。(写真右「すくも」) 夏には、生の藍の葉をミキサーにかけたものを使い、「生藍染め」も行われます。障がいを持つメンバー、スタッフの他にも、藍染めの手仕事を工房開設以来28年サポートしてくれているボランティアの方がいて、その支えがあることにより、続けることができています。また、地域の人がこの工房へ藍染め体験に訪れることもあるそうです。染め工房の別室では刺繍などの手仕事を行っています。

1年を通して藍染め作業が行われています。
空気にふれて青く変化。繰り返すことで藍色に。

 茶色に見える染め液に漬け込んだ生地は、よく絞り、物干しに吊るします。(写真左)空気に触れることで、生地は青く変色します。その後、また染め液に漬けて干す作業を3回ほど繰り返した後、水で洗うことで、深みのある藍染めならではの色合いが生まれます。(写真右 Tシャツの裾を縛ってこの作業を行うと、絞り染めの美しい模様が生まれます)
 染め方や素材によって、仕上がりの風合いや色味が異なるのも、手仕事ならではの魅力です。工房はまなすで染めた麻糸で機織りし、ランチョンマットなどの織り製品が生まれます。

空気にふれて青く変化。繰り返すことで藍色に。
織り上げる札幌スタイル、みんなの手で製品に。

 染め工房で染めた麻糸は、工房はまなすの機織りスペースで、手足にハンディを持つメンバーの方が織りあげます。ここには、工房はまなすが藍染めを始めた時からこの仕事を担当し、札幌スタイル認証製品を生み出したメンバーもいます。織った製品にタグをつけ、仕上げを行うメンバーもいます。ハンディを持つ人とサポートする人、みんなの手で、札幌が誇るクオリティがつくられています。
 写真は、たまねぎ染めの糸を使ってランチョンマットを織っているところです。

織り上げる札幌スタイル、みんなの手で製品に。

特定非営利活動法人 自立支援センター歩歩路 (団体ページへ)
就労継続事業所 工房はまなす

特定非営利活動法人自立支援センター歩歩路
■ 住所 札幌市東区北36条東1丁目8-6
■ 電話/FAX 011-723-2515
■ 時間 月~金曜 10:30~14:30

◎お問い合わせ
hamanasu@silver.ocn.ne.jp
※写真は、「工房はまなす」で作った製品を扱う手作り&コミュニティショップ歩人夢(あとむ)の店内

工房はまなすでは、ものづくりを通して、就労での生きがいを見つけることを目標とし、自立に向けた生産活動を行っています。

身体にハンディのある方たちでもできる仕事として、手織り・手染め・手芸を通した活動を行っています。
染めは、藍・生藍・たまねぎ染めを中心に、味わいのある作品作りを目指しています。


札幌スタイル認証マーク 札幌スタイルとは

札幌スタイル認証マーク

藍染め・生藍染め・玉ねぎ染めのストール、コースター、ランチョンマットは、札幌スタイルの認証製品です。

(取材・文・編集 総合商研株式会社)
※2017年1月13日現在の情報です。