「畑」と「キッチン」から始まる、食の安全と働く場所づくり。
障がいがあっても誇りを持てる仕事をしよう。自分たちの手で自信を持って提供できる美味しさを形にして、地域に届けよう。そう考え、特定非営利活動法人畑とキッチンがたどり着いた答えのひとつが、トマトジュースでした。濃縮せず、完熟トマトの甘みとコクを最大限に生かしてつくられるジュースは、一瓶190mlにトマト約3個分が入っています。そしてこのジュースを作るために、障がいを持った方や企業の退職者が、ある時は畑で、ある時は事業所で、自分の力を生かして働いています。自然と向き合って育て、加工の一つ一つに関わるから、その品質がみんなの誇りにつながります。札幌のこだわりトマトジュースは、食の安全と障がい者の雇用拡大を両立する、身近な取り組みでもあるのです。
減農薬でトマトを育て、収穫します。
原料となるトマトは、春、種から苗を育て、畑に定植します。石狩市望来と札幌市手稲区に、畑を借りています。「自分たちが安心して口にできるものを販売したい」という思いから、良い土にこだわり、減農薬で栽培しています。みんなで畑を耕し、畝(うね※)をつくり、その上にビニールを張って、まっすぐ育つように支柱を立てます。夏にはトマトが実り、7~9月位まで収穫することができます。
※苗を植える時、土を盛り上げ地面より高くして水はけを良くします。
素材の味にこだわったトマトジュースです。
完熟した自家製トマト(写真右)で作るトマトジュース、生産ラインに載せるために足りない分は、障がい者の就労支援事業に理解のある余市町農家の協力をいただいています。添加物は使用せず、濃縮して水を加えたりもしません。トマト本来の味わいを生かしたトマトジュースをつくりたいと願うからです。きれいに洗ったトマトを煮込み、搾汁機で中身を濾して加熱殺菌したものを瓶に詰め(写真左)、さらに85度で30分間殺菌を行います。トマトに含まれている栄養素の一つ、リコピンは加熱することで栄養素が増加するといわれています。その後、約3カ月間ビンの中でじっくり熟成させ、まろやかな味わいに仕上げます。
作り手として、地域とふれあい、販売します。
出来上がったトマトジュースは、福祉関連の販売拠点だけでなく、地域のバザーや商店街のイベントにも出向いて販売します。障がいを持つ人の仕事を単純な軽作業だけに留めることなく、社会とふれあい、誇りを持って自分を表現できる仕事に変えていきたいと願うからです。そのために利用者の相談や日常の支援には、企業を退職された方も参加しています。トマトを収穫できない冬期間に、地域の方たちも参加して、自家製大豆を原料とした味噌づくりも始めました。トマトジュースを軸に、「畑」と「キッチン」から夢が大きくひろがっています。
特定非営利活動法人畑とキッチン (団体ページへ)
■ 住所 | 札幌市西区宮の沢2条4丁目1-12 第3中田ビル |
■ 電話/FAX | 011-590-1751 |
■ 時間 | 月~土曜 9:00~17:00 |
◎お問い合わせ
特定非営利活動法人畑とキッチン
hataketokitchen@seagreen.ocn.ne.jp
私たちが大切にしているのは「食の安全」です。
食の安全と労働を大切にし、安心して食べられるものを生産販売し、障がい者に働く喜びを提供するための就労支援A型事業所です。札幌市内、郊外に土地を借りて減農薬の野菜を栽培し、加工しています。また、それらを原材料に、添加物を使用せず殺菌消毒を丁寧に行い、安心して食べられる食品を製造・販売しています。
活動概要
- 就労継続支援A型事業
- 減農薬野菜販売
- 加工品の製造販売(無添加トマトジュース、味噌、麹など)
※2017年3月24日現在の情報です。