北海道発のフェアトレード

まちづくりクリップ
東ティモール・マウベシ産の珈琲。人と人をつなぐ一杯を。

東ティモール・マウベシ産の珈琲

 生産者が生活を維持できるような公正な価格で取引をする、フェアトレード(公正な貿易)。生産者と直接取引をすることから“市民による貿易”とも呼ばれています。
 特定非営利活動法人ほっかいどうピース・トレードでは、2008年から東ティモールのマウベシ郡で収穫・加工された生豆を買い取り、独自で焙煎をして販売しています。東ティモールでは人口の約4分の1がコーヒーの生産に関わっていながら、その価格には生産者の希望が反映されていないのが現状。一杯のコーヒーを通して、公平と平等について伝えることが団体の使命でもあるのです。

生産者として誇りを持てるように。

 首都ディリから車で2時間ほどの標高約1500メートルの高原地帯にあるマウベシ郡がコーヒーのふるさと。生産者の集落はさらに奥地、電気もガスも水道もない場所にあります。

 収穫から出荷までには実に多くの工程があります。コーヒーチェリーという赤い実を一粒一粒収穫し選別して果肉を取り除き、一晩水に漬けて発酵させます。ぬめりを洗った豆を選別しながら10日ほど天日干し。水分含有量が10%程度になったら出荷します。丹念に加工された品質の良い豆は高値で取引されやすく、マウベシの人々の誇りにつながっています。

生産者として誇りを持てるように。
コーヒーと一緒に届けたいもの。

 マウベシで生産された生豆は海を越えて日本へ届きます。国内で焙煎された後、札幌市内の自然食品を扱う商店やカフェなど、取扱い店舗へ運ばれます。生産地から焙煎所まで審査を受け、有機認証も取得した安心で安全なコーヒーが私たちの元へ届きます。

 特定非営利活動法人ほっかいどうピース・トレードでは、例年、会員が現地の生産者を訪れるスタディーツアーに参加しています。単なるコーヒーの取引ではなく互いに知り合い、共に生産するパートナーとして関係を築き、コーヒー農家を続けたいというマウベシの人々の気持ちに応えるべく、支援を続けています。

コーヒーと一緒に届けたいもの。
この一杯が架け橋となるように。

 東ティモール・マウベシ珈琲は、香りが高くバランスが取れていて飲みやすいのが特徴。開店当初からこのコーヒーを提供し続けているお店もあります(写真/フェアトレード雑貨&レストラン「みんたる」)。一杯のコーヒーで遠く離れた国とつながる、その国のことを知ることができる、そんな場所を提供しています。

この一杯が架け橋となるように。

特定非営利活動法人 ほっかいどうピース・トレード (団体ページへ)

特定非営利活動法人 ほっかいどうピース・トレード
■ 住所 札幌市白石区菊水3条1丁目6-12
■ 電話 070-5619-3222
■ FAX 011-812-4377

◎お問い合わせ
hokkaidopeacetrade@gmail.com

経済的な自立を目指して支援を続けます。

 活動のはじまりは、事務局長として会を率いた故・越田清和氏が、パルク(アジア太平洋資料センター)の活動でインドネシアからの独立を果たした東ティモールの自立支援に関わっていたことでした。

 政治的には独立をしたものの、経済的には何のめども立っておらず、海外に売れるものはコーヒーしかない東ティモールで、農村を支援してコーヒーを売って経済活動を支えたいという想いから始まりました。

 その想いは現在も受け継がれ、2008年の販売開始から現在まで、継続的な支援を続けています。


活動概要

  • 「東ティモール・マウベシ珈琲」の販売
  • ピース・トレード講座の開催
  • 東ティモールスタディーツアーへの参加
  • 販売店等、地域の助け合い
  • 北海道農業の応援
  • ニュースやブックレットの発行
(取材・文・編集 総合商研株式会社)
※2017年1月13日現在の情報です。