「若者」と「食」をつなぐ

若者が想うつながるカタチ
食と学びで北海道の未来を創っていきたい

特定非営利活動法人Efy(エフィ) 理事長 坂本星美(さかもとほしみ)さん

「北海道の未来を担う子どもたちを食と学びで応援したい」「子ども・学生・お年寄り、地域の誰もが世代を超えて学び合う場を作りたい」という目的を持った大学生が設立した団体があります。食を通じて地域とつながることで、人間関係の輪を広げ、地域の誰もが立ち寄れる場を作りたい―。その想いを伺いました。

特定非営利活動法人Efy(エフィ)
理事長 坂本星美(さかもとほしみ)さん

理事長として団体の活動を活発に行う他、ネパールやフィリピンへボランティア留学するなど、国外での経験を活かし「地域の子どもたちを笑顔にするために自分たちには何ができるのか」を考えながら活動を続けている。

子どもたちが「自分はできる!」と思える体験を増やしたい

―特定非営利活動法人Efyを立ち上げたきっかけを教えてください。

 2016年の夏、天使大学の教授のご紹介で、食育に取り組む企業の企画に、運営として携わったことがきっかけで、食の大切さを子どもたちに伝えることの重要性に気づき、同じ価値観を持つ大学生の有志と共に継続的な活動を行いたいと考え、団体を立ち上げました。団体名はEducation(教育)・Food(食)・Yell(応援)の頭文字を取りました。メンバーは天使大学を中心に、北海道大学、札幌大谷大学などの学生13人で構成されています。生涯にわたって活動していきたいという想いから、2017年6月に法人格を取得しました。私たちのビジョンは、“食を通じて地域みんなのワクワクを増やす”というものです。

―食で地域をつないでいくというのは、どういう想いからでしょうか?

 私がネパールやフィリピンの医療支援のボランティア活動に参加した時、地域全体で子どもたちを見守る、人の温かさがとても印象的で良いなと感じました。そのような温かい地域環境が札幌にも必要だと感じています。「食」は生きる上で欠かせないものであり、人と人をつなぐコミュニケーションツールでもあります。おいしいものを囲んで世代を超えたコミュニケーションを実践していきたいと考えています。

―現在の活動を詳しく教えてください。

 現在、主に二つの活動を行っています。
 一つ目は、食事つきの子どもの学びの場「いろは塾」です。講師となるのは私たち大学生や地域のお年寄りです。私たち大学生は勉強を教え、人生の先輩であるお年寄りからは、食事のマナーや地域の食文化を教えてもらいます。「いろは塾」は、2017年度から札幌市教育委員会のサッポロサタデースクール事業にプログラム登録されており、2017年11月までに定山渓中学校で5回実施しました。その他、朝型生活習慣の効率の良さを実感してもらうために朝7時半から勉強を開始する「朝塾」も「いろは塾」の1コンテンツとして実施しています。

(写真左)朝塾の様子。軽食を取りながら会話が弾みます。(写真右)みそ汁づくりに挑戦。鰹節を削る子どもたち。 (写真左)朝塾の様子。軽食を取りながら会話が弾みます。(写真右)みそ汁づくりに挑戦。鰹節を削る子どもたち。

 二つ目は、小中学生がカフェ店員となり、家族や地域の人たちをおもてなしする職業体験イベント「りらカフェ」です。開店前に、あいさつやオーダーの取り方などのおもてなしの練習をするほか、大学生の管理栄養士の卵と一緒に、まかないとしてその日のメニューを自分たちで味わって、地場産品について学びます。子どもたちが、このイベントを通して「自分はできる!」という成功体験をすることで、今後何か新しいことにチャレンジするときの自信につながるといいなと思っています。会場は、札幌市東区の児童会館や天使大学近隣のレストランなどをお借りして行っています。
 大学生という立場を活かして、子どもたちとお年寄りをつなぐ“架け橋”になれたら、と思っています。

(写真左)りらカフェの様子。 (写真右)「いらっしゃいませ!」充実した笑顔の子どもたち。 (写真左)りらカフェの様子。 (写真右)「いらっしゃいませ!」充実した笑顔の子どもたち。

地域と力を合わせて、子どもたちを笑顔にするお手伝いがしたい

―今後の活動や目標は何ですか?

 体験型の活動を通して、子どもたちが主体的に自分で生きる力を獲得するためのお手伝いがしたいです。先ほどの「りらカフェ」も、誰かのために自分で考え、心を尽くし働いて感謝されることで、自分に自信をつけ、自己肯定感を高めてもらいたいという想いがあります。自己肯定感のある子どもは、どんな環境でも自分を信じて行動していくことができます。経済的な問題を抱えている家庭の子どもたちや心が不安定な子どもたちに、積極的にアプローチして支えていきたいです。そのためには、地域と連携し、「居場所」を作っていくことが大切だと思っています。
 もう一つ、大切にしたいことは、「日本人らしい食生活」を子どもたちに伝えることです。「りらカフェ」では、子どもたちと一緒に鰹節を削り、昆布との合わせだしを作って本来のだしの旨味を味わってもらうみそ汁づくりを行っています。本物のおいしさに出会うことも大事な体験のひとつだと考えています。
 2018年からは、東区の土地をお借りして、子どもたちと一緒に畑を作って“命の循環”を伝える食育プログラム「Efy farm(エフィ ファーム)」も始動します。本物に触れる体験をより充実させていきたいと考えています。
 やりたいことはまだまだたくさんあるのですが、一つ一つの活動でトライ&エラーを繰り返しながら精度を高めていきたいです。

特定非営利活動法人Efy(エフィ) (団体ページへ)

特定非営利活動法人Efy(エフィ)
■ 住所 札幌市中央区北1条東4丁目8番地8
■ 電話 090-1309-0614
■ メール info@efy-hokkaido.org
■ ホームページ http://www.efy-hokkaido.org/
■ Facebook https://www.facebook.com/education.food.yell/

今後の開催予定

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取材を終えて

若者たちが食を通して地域とつながろうと取り組んでいる活動を、地域がサポートして育てていくことが、札幌全体に根付くと素敵だなと思いました。「やりたいことがありすぎて…」と、何度もつぶやいていた坂本さん。ときには悩みながらもひたむきに、仲間と力を合わせて一歩一歩着実に進んでいきたいという想いに溢れていると感じました。

(取材・文・編集 株式会社Mammy Pro)
※2017年11月14日現在の情報です。