アートなまちづくり

突撃まちづくりNew!
札幌市立大学の学生たちが「子どもの体験活動の場Coミドリ」の取組みをご紹介します。

私たちが紹介します! 札幌市立大学 デザイン学部 森さん、德永さん、中神さん、仁藤さん、金子さん
札幌市立大学 デザイン学部
左から森さん、德永さん、中神さん、
仁藤さん、金子さん
子どもたちがデザインしたベロタクシー(自転車タクシー)が、真駒内のまちを走ります。

金子さん、仁藤差案子どもたちが自由に遊びを"作る"場所です。

自由な発想で遊びを考え、作り、楽しむ。子どもたちが「面白そう」と思う気持ちの数だけ遊びが生まれていきます。 自由な発想で遊びを考え、作り、楽しむ。子どもたちが「面白そう」と思う気持ちの数だけ遊びが生まれていきます。

 「子どもの体験活動の場Coミドリ(以下、Coミドリ)」は、プレーパークやワークショップの開催など、体験活動を通して地域とのつながりや交流を生み出している場所です。2015年に札幌市南区の旧真駒内緑小学校(愛称:まこまる)内に開設されました。私たちもボランティアとして子どもたちと接しています。

 Coミドリのプレーパークは、子どもたちの「やってみたい」と思う気持ちを育てる遊び場です。出来るだけ禁止事項を少なくし、子どもたちが自主的に遊びを作り出すことができるように工夫しています。

 プレーリーダーと呼ばれるスタッフや、学生を含めた地域ボランティアは子どもたちを見守っていますが、決して先回りして道を整えたり、その場を仕切ったりはしません。子ども自身の考えで自由に遊ぶことを学んでもらうために、失敗経験も宝物と考えて、子どもたちが遊びの中で挑戦し成長していくことを応援しています。

森さん、徳永さん 子どもたちと交流するイベントを企画しました!

かぼちゃを彫って作ったジャックオランタンに皆で火を灯す「ハロウィンクエスト」。
キャプション2)何もないところから皆で「ハロウィンタウン」を作り上げます。
写真左)与えられた課題をクリアし、ジャックオランタンに皆で火を灯します。写真右)何もないところから皆で「ハロウィンタウン」を作り上げます。

 Coミドリでは子どもたちが地域住民と関わるイベントが数多く行われています。私たちはハロウィンイベントの運営を担当しました。

 2015年にはダンボールや画用紙を使って子どもたちと一緒に「ハロウィンタウン」を作るイベントを、2016年にはジャックオランタンに灯す火を悪魔から取り返すというストーリーで与えられた課題をクリアしていく「ハロウィンクエスト」というイベントを開催しました。

 子どもたちの行動を想定して準備をしましたが、イベントの当日は私たちの想像を超えるような作品やアイデアがどんどん生まれていました。2015年の「ハロウィンタウン」を作るイベントではダンボールで3階建ての家を作る子が現れるなど、驚かされる場面がいくつもありました。この活動を通じて「他の地域でも子どもたちがのびのびと遊べる空間を作るためにはどうしたらいいのか」ということを考えるようになりました。

中神さん デザインから地域の未来を考えます。

写真左)ベロタクシーを運転する人、利用する人それぞれの立場からデザインを考えていきます。写真右)2016年2月、完成したベロタクシーが地域住民にお披露目されました。子どもたちが思う真駒内地区のイメージが反映されたベロタクシー「真駒内号(仮称)」。 写真左)ベロタクシーを地域の人にどのように使ってほしいか、デザインを通して伝えたいことを考えていきます。写真右)2016年2月、完成したベロタクシーが地域住民にお披露目されました。

 地域の方やプロの方が持ついろいろな知恵や技術を子どもたちが体験するプログラム「しま専科」もCoミドリ主催の事業です。2016年1月には、私たちが所属する札幌市立大学との共同企画として、ベロタクシー(自転車タクシー)のラッピングデザインを考えるワークショップ、「ベロタクシーデザインしま専科」が開催されました。

 ワークショップの内容は、Coミドリの所在地でもある南区・真駒内地区を走るのにふさわしいベロタクシーのラッピングデザインを札幌市立大学の先生からデザインの基礎を学びながら考えるというもので、実際にベロタクシーに乗ったり、触ったりしながら、形やデザインをよく知ったうえで正面・横・後ろの三面図を書いていきました。完成したデザインには、真駒内地区からイメージされるエドウィン・ダン記念館や桜、すずらんなどのモチーフを取り入れた作品が見られました。デザインをすることが、地域のイメージを見直すきっかけにつながっているのだと感じました。

 ワークショップの最後には、デザインしたベロタクシーの将来の活用について考える課題もあり、参加した子どもたちからは「お年寄りが買い物に行く時に使う」「スマートフォンのアプリを使って呼び出せるようにする」などの身近な活用アイデアも出ていました。完成したベロタクシーは地域のイベントでも活用されるなど、今後の展開に期待が集まっています。

 Coミドリは、子どもたちの「やってみたい」「知りたい」気持ちを育む場所として、地域全体を巻き込みながらその輪を広げています。私たちもその一員として、これからも活動に参加していきたいと思います。

子どもたちが思う真駒内地区のイメージが反映されたベロタクシー「真駒内号(仮称)」 子どもたちが思う真駒内地区のイメージが反映されたベロタクシー「真駒内号(仮称)」。

子どもの体験活動の場Coミドリ

子どもの体験活動の場Coミドリ

2015年4月、札幌市の補助事業として特定非営利活動法人さっぽろAMスポーツクラブが運営を開始しました。道内初の常設型プレーパークとして、子どもの体験活動を通して、多様な連携・交流拠点となる場づくりを目指しています。
※運営には協力団体として株式会社ナックプランニング、特定非営利活動法人エコ・モビリティサッポロが関わっています。

■ 住所 札幌市南区真駒内幸町2丁目2-2 まこまる1階/旧真駒内緑小学校(地下鉄「真駒内駅」から徒歩5分)
■ 電話 011-213-0906
■ メール info-comidori@sirius.ocn.ne.jp
■ 時間
  事務局 水曜〜金曜 10:00~18:00
土曜・日曜・祝日 9:00~18:00
※小学校の長期休業期間 水曜~日曜・祝日 9:00~18:00(年末年始をのぞく)
  プレーパーク
  ※参加費不要
土曜・日曜・祝日 9:00~17:00
金曜 11:00~17:00
※小学校の長期休業期間 水曜~日曜・祝日9:00~17:00(年末年始をのぞく)
(取材・文・編集 総合商研株式会社)
※2017年3月24日現在の情報です。