札幌で活躍する人をアーカイブ
札幌で活躍する人にインタビューし、動画で紹介するサイト「札幌人図鑑」。6年間に1,550人以上に取材してきた福津京子さんにその原点を伺い、つないできたもの、つないでいきたいものを聞きました。
札幌人図鑑
インタビュアー
福津京子(ふくつきょうこ)さん
コミュニティFM放送局を経て2012年4月に独立。札幌の魅力ある人材をインタビューして動画で配信するサイト「札幌人図鑑」を立ち上げる。取材・撮影・編集・掲載まで一人でこなし、1年365日更新。3年がかりで1,000人のインタビューを達成した。現在はJ:COM札幌で番組化され、編集のみ外部スタッフが担当。週に3回更新されている。
地域に埋もれている「いい話」を、みんなでシェアしたくて。
「札幌人図鑑」を始める前は、コミュニティFMで15年間、ラジオ番組のパーソナリティーをしていました。小学生から主婦、おじいちゃん、おばあちゃんまで、地域の人が番組に出てくれたのですが、そうした一般の人のお話に元気をもらったり明日を生きる力を感じることが多かったんです。でも、ラジオは生放送を聞けなかった人には届かない。「今日のいい話、あの人にも聞かせたかったな」という経験が何度もあって。「録音をメールで飛ばして聞いてもらえたらな」「みんなにシェアできないかな」と、アーカイブすることに憧れを持つようになりました。それで、15年目でいったんラジオを離れようと、今までトライできなかったことにチャレンジしてみようと、立ち上げたのが「札幌人図鑑」です。ハンディカムを1台持って取材に行って、インタビューして、撮影して編集してアップするというのを一人でやりました。野鳥の写真家が好きな野鳥を飽きずに撮り続けるのと同じで、私も人が好きで続けてきたんだな、と思います。
札幌のまちのサイズは、人と人がつながるのにちょうどいい。
取材対象を探すときは間に入ってもらうのは一人だけ、と決めています。紹介の紹介だとコントロールが効かなくなりますが、推薦者を知っていれば推薦理由が明確に分かりますから。秋元克広 札幌市長にも高橋はるみ 北海道知事にも栗山英樹 北海道日本ハムファイターズ監督にも出ていただきましたが、間に一人挟むだけで会える。それは札幌のまちのサイズ感がちょうどいいからなんだと思います。これがもし東京や大阪だったら、大きすぎてこんなにスムーズにはできなかったでしょう。これまで1,550人以上にインタビューしましたが、やはり思いがけないエピソードが出てくるのが面白いですよね。過去・現在・未来と聞いていくんですけど、この人でもこんな弱いところがあるんだ、そんな苦労もしてたんだ、順風満帆そうに見えて不安もあるんだ、とか。たとえよく知っている身近な人でも、正面きって話を聞く機会は案外少ないと思うんですよね。私がこんなに面白いんだから、シェアしてみんなに知ってほしい、私というフィルターを通して、いろいろな人に出会ってほしいというのが、「札幌人図鑑」の原点です。
人と人がつながって新しい何かが生まれる。そのきっかけに。
札幌は市外から来た人がすごく多いまちですよね。「札幌人図鑑」でも生粋の札幌生まれは半分くらい。必然的に、外から来た人に札幌のまちの良さを教えてもらうことが多くなります。反対に、札幌っ子が道外や海外へ出て行ってスキルを身に付け、そろそろ札幌で役立てたいと戻ってくるパターンもある。私は「カムバックサーモン現象」と呼んでいるのですが、大きくなって帰ってくる人が多いまちでもあります。考えてみれば、「札幌人図鑑」に登場している人は、会いたいと思ったら誰もが会える人たちばかりなんですよね。だって、みんな札幌の人だから。なので、今後は実際に会いたいと思う人と人をつなぐような場所もつくってみたいと思っています。バーチャルではなくリアルに会える場をつくって、それをまたシェアできるようにするのが今年の目標です。これまで人と人がつながることで新しいことが生まれるのをいっぱい見てきたので、そのきっかけになるような存在になれたらうれしいですね。
(取材・文・編集 株式会社アウラ)
※2019年3月1日現在の情報です。
人がつながり、何かが生まれる
そのきっかけをお手伝いできたら