一般社団法人スポットウォーキングさっぽろ

福祉の意識を、まち全体に広げていく

車椅子で入れる飲食店を集めたグルメサイト運営や楽しい交流の場づくりを行う「スポットウォーキングさっぽろ」。代表理事の平間栄一さんは、活動の先にまちの将来を見据えています。

車椅子の人たちが
当たり前に楽しみ働いているまちへ

一般社団法人スポットウォーキングさっぽろ
代表理事

平間栄一(ひらまえいいち)

介護福祉士等として、ヘルパーやケアマネジメント業務、高齢者や保育園などへの配食サービス、就労継続支援事業所の運営を行いながら、スポットウォーキングさっぽろでも活動の中心となり、イベント企画や情報の拡散に尽力している。講演会、イベントの講師やプレゼンテーター、ラジオパーソナリティーとしても活躍する熱血漢。モットーは"楽しむことを諦めない"こと。

毎月1回の活動日にまちなかをはじめ、いろいろな場所で気付きの体験を。

毎月第2土曜日が活動日になっていて、例えば市電がループ化したので乗ってみよう、アミューズメント施設に行って遊んでみようなどと、まちの中にできた新しい場所を体験してみたり、お花見や海でのBBQ、ハロウィンにクリスマスといった季節ごとのイベントを開催したりしています。参加者は障害のある人や車椅子の人、福祉関係者だけではなく、学生や社会人、仕事も年齢もさまざまな人が集まります。楽しい活動を通して得ているのは、「気付き」です。実際に街に出て気付いた良い点も悪い点も共有し、発信することが誰かの役に立つ。さらに普段何気なく利用している施設でも障害のある人たちの視点や車椅子で利用した人たちの様子を見ると、私たちの意識が変わるんです。高齢化が進む札幌のまちづくりに必要なことが見えてきたり、家族や自分たちのこれからを考えるきっかけになったり。福祉関係ではない人たちに、そういう意識を広めることも活動の一環なんです。

障害のある人たちの外出を応援する、グルメサイトとトイレマップ。

車椅子で入れる飲食店を紹介するグルメサイトを運営していると、バリアフリーやスロープなど店内のユニバーサルデザインについての相談を受けたり、観光地からは車椅子でまちを楽しむにはどうしたら良いかなどと、さまざまな相談を受けるようになりました。誰もがもっと気軽に自由に外出を楽しめるようにという目的が叶えられてきているのを感じています。車椅子の人が日常的にお店を利用するようになると差別や偏見なども無くなり、店員さんや常連さんとの交流が生まれます。お店側もどんなサービスが必要とされているのか、例えばラーメン屋さんが、握力がないなどの理由で箸が使えない方のためにフォークを用意するなど、そんなふうにしてまちを楽しむハードルがどんどん下がっていけば良いなと思っています。当事者からもヘルパー仲間からもニーズがあった現在地から近い多目的トイレを探せるWEBシステムも開発し、活用してもらっています。このWEBシステムは、札幌から道内外に広めていきたいと準備を進めています。

札幌が、誰もが住みやすく楽しんで生活できるモデルケースになれば。

介護福祉士の仕事の傍ら団体を立ち上げたのは、友人が車椅子に乗っているからでした。一緒に行動していると、2人の間だけでも実にいろいろな気付きがあるんです。そこから、現在札幌市内には8万人ほどの身体障害がある人たちが暮らしているので、日々8万通りの気付きがあるんだと感じました。そんな皆さんの思いを集めて、少しずつでも日常生活を楽しむための選択肢を増やしていきたいと、その友人と共に活動を始めました。国や行政が福祉に関するさまざまな制度や条例作りなどを進めていますが、我々民間でもできることは自分たちで仕組みづくりをして、これからの福祉の新しい道筋やモデルを作っていければ良いと話しています。車椅子を考えることは、ベビーカーや足腰の弱い高齢者の方にも当てはまりますし、地域レベルでもそうしたことに取り組まなければという時代ですよね。活動を続けて7年になりますが、街の中に車椅子の人が増えてきたと感じます。まちじゅうに車椅子ユーザーをはじめ、体の不自由な人がもっと気軽に足を運べるようになり、当たり前に暮らしている状況を作りたいですね。

(取材・文・編集 株式会社アウラ)
※2019年3月1日現在の情報です。