間伐ボランティア 「札幌ウッディーズ」

森林づくりで、街を、地域を輝かせる

札幌市と近郊の森林で、荒れ果てたり弱ったりといった病んだ森の再生を助ける間伐ボランティア「札幌ウッディーズ」。会長の森井浩樹さんにその活動についてお伺いしました。

森林をよみがえらせて
次代に引き継いでいくために

間伐ボランティア「札幌ウッディーズ」
会長

森井浩樹(もりいひろき)さん

都市部や近郊の森林の様子に危機感を持ち、2001年に有志らが集まり設立。現会長を務める森井さんは、山歩きが趣味で、いつも楽しませてくれている自然に何か恩返しができないかと思っていた時にこの団体と出会い会員に。会長に就任してからは、より自然と親しむ機会づくりや会員同士の交流の場づくりを行い、自然と会員、会員と会員の絆をいっそう深める役割も担っている。

山に入り、チェーンソーを操り、札幌近郊の森林を生き生きと育てる。

間引かずに放置されているため、木々が混み過ぎ日がうまく当たらず生育が悪くなっている天然林や人工林。風雪で折れた木々がそのままになり、枯れかけている森。豊かな森林に囲まれていると思っている私たちの周りには、実は不健康な森も多いんです。そんな森林を整備して、育て、よみがえらせていくのが私たちの活動です。フィールドは、札幌、小樽、千歳、当別、恵庭など10ヵ所ほどで、依頼は市町村、個人とさまざまなケースがあります。流れとしては、まず森林の調査を行い、所有者の意向も踏まえて目指す将来像を計画し、継続して整備していきます。具体的な作業としては、植樹、下草刈り、枝打ち、間伐などの森を育てることから、薪割りや遊歩道造り、害獣被害の防止対策などまでを計画に沿って進めていきます。また、チェーンソーなどの機械も使用するので安全を第一に活動を行っており、林業の技術取得や安全教育などにも力を入れています。

森が好き、自然が好きな仲間たちと観察会などのレクリエーションも。

会員は現在52人で、学生、会社員、主婦や専門家など、職種も年齢層も幅広い方々がメンバーになっています。会員は常時募集していますが、シーズン中は体験参加もできるので、興味のある方は私たちと山に入って、活動を目の当たりにしてみるのが一番です。自然環境や林業などに興味があり、将来の進路にと考えている学生さんには良い学びの場にもなると思います。森の中で実際に自然と触れ合い、大人と一緒に汗を流して、現場での学びや経験を積むことは貴重な時間になるのではないでしょうか。また、「札幌ウッディーズ」では森林整備の作業だけではなく、四季折々の自然観察会、キャンプ、山菜やキノコ採り、雪中ジンギスカンなどのレクリエーション活動も行っています。木々だけではなく、花や野鳥などの知識を深めたり、会員同士の交流を楽しんだりという機会もできるだけ設けていきたいと考えています。同じ思いで集まった仲間たちで、楽しみながら続けられる活動を目指しています。

ボランティアの活動が、趣味を突き詰めていくことや生涯の学びに。

森林の様子はその場所ごとに違い、季節によっても異なる顔を見せてくれます。そこが興味の尽きないところですね。また、手入れを続けていくことで、その山の環境が良くなり、変わっていくのを見るのはとてもうれしいことで、やりがいにもなっています。自然は本当に奥が深く、まだまだ分からないことだらけで、学ぶことがたくさんあります。趣味から始まったボランティア活動ですが、森林づくりは自分にとって、生涯学習のような学びの場だと感じています。森に訪れ、自然に囲まれていると、誰もが心地よく癒され、日頃のストレスからあっという間に解放されます。そんな素晴らしい力を持つ森を守り、次代に引き継いでいけるよう、これからも活動の輪を広げていきたいと思います。

(取材・文・編集 株式会社アウラ)
※2019年3月1日現在の情報です。