野菜ソムリエグループによる野菜コミュニティーづくり
「北海道野菜のおいしさをもっと知ってもらいたい」という思いで、4人の野菜ソムリエが集まり結成した「北海道野菜を盛りあげ隊」。野菜に愛情を注ぐ活動の思いを、メンバーの出口恭美子さんに伺いました。
北海道野菜を盛りあげ隊
メンバー
出口恭美子(でぐちくみこ)さん
日本野菜ソムリエ協会認定野菜ソムリエプロ。各地域特有の農産物や農業について学び発信。おいしい野菜をたっぷりいただきながら楽しく学び、健康にも役立つイベントなどを主催。栄養士、エコ・クッキングナビゲーターなどの資格を生かし、QOLの向上を目的とする講師活動やコラム執筆なども行う。 2017年に「北海道野菜を盛りあげ隊」を結成し、仲間たちと料理教室やマルシェなどを通じて北海道野菜の魅力を伝える活動を行っている。
北海道野菜の魅力を伝えるために、野菜ソムリエの4人が集まり結成。
「北海道野菜を盛りあげ隊」は、野菜ソムリエの資格を持つ4人が2017年に結成したグループ。私たちは各々個人で食育や料理教室などの活動を行っていましたが、グループなら一人ではできないことができると考え、イベントなどを通じて多くの人に北海道野菜の魅力を伝えたい、そして健康づくりや地域との触れ合い、食文化の発展につなげていきたいという思いで立ち上げました。活動は、主に料理教室やマルシェを開催し、昨年はハスカップの収穫体験を行ったり、野菜を切り口としたまちづくり講座にも登壇させていただきました。私たちの料理教室は、料理の作り方をかっちり教えるというよりは、フランクに皆さんと交流しながら野菜を楽しく食べるという感じで行っています。北海道は、言うまでもなく野菜の生産量が日本一の場所ですが、実は野菜の消費量は全国でも少ない場所だったりします。それは、道外野菜に頼らざるを得ない冬場に野菜消費量が落ち込むことも一因なのではないかと考えました。ですが、北海道には冬だからこそおいしく食べられる野菜があるんです。そんな喜びや発見を、皆さんにもっと知ってほしいと思います。
野菜を通じて、地元のことを知ってほしい、もっと愛着を持ってほしい。
私たちが活動を通じて伝えていきたいのは、まず野菜がおいしいということ。北海道は広いので、地域によって採れる野菜は違い、それぞれのおいしさがあります。また、生産者によっても味や育て方が違います。冬の時期はどうしても北海道の野菜は少なくなりがちですが、それでもこだわりを持って作られているおいしい野菜がある。そういうことを知ってもらって、食べてもらって、普段の生活に生かしてほしいですね。さらに野菜を通じて地元についてもっと知ってほしい、愛着を持ってほしいという思いがあります。料理教室の場合は、食べてもらって、おいしさを発見してもらうことが第一。一般的な料理教室では、レシピをお伝えして、みんなで食べて終わりというのが多いと思いますが、私たちの料理教室は食べている間にミニセミナーの要素を取り入れています。「今日の野菜はここで仕入れました」とか、「こんなところで買えます」とか、「生産者の方はこんなふうに作っているんですよ」とか、野菜にまつわる情報をお伝えするようにしているのです。
みんなで北海道野菜を盛り上げて、北海道の活性化やまちづくりにつなげたい。
私たちは、みんな野菜に対して愛情を持っていて、きちんと資格の勉強をしてきた者たちです。女性として主婦として母としていろいろな経験をして、いろいろな人生を生きているので、4人それぞれの個性を生かしてプラスアルファの情報を伝えていきたいと思っています。一人で活動していると、やっぱりできることは限られますが、4人が集まることによってさまざまなアイデアが出てくるので、できることがすごく広がります。北海道野菜を盛りあげ隊では、イベントに参加してくれた人やFacebookで「いいね!」を押してくれた人を“隊員”と位置付けています。「こんなことをやってみたい」という持ち込み企画も大歓迎なので、4人だけではなく、みんなで北海道野菜を盛り上げていくことで、どんどん北海道が活性化していけばいいなと思っています。今後は食品を作っているメーカーなど企業の方々ともコラボして、野菜を通じた食文化、健康づくりなどを提案していきたいですね。また、生産者と交流するようなイベントを行い、さまざまな地域を知ってもらうことで、野菜とまちづくりをつなげていきたいと思っています。
(取材・文・編集 株式会社アウラ)
※2019年3月1日現在の情報です。
北海道野菜のおいしさを知り、
人や地域との交流を楽しんでほしい