サッポロ電子クラフト部

趣味で交流するものづくりコミュニティ−

「サッポロ電子クラフト部」は、ものづくり好きのメンバーが集って始まった大人の部活動。ユニークな作品を製作し、人のつながりを生み出す取り組みについて、代表の福田和宏さんに話を聞きました。

ものづくりを通じて
人のつながりを広げたい

サッポロ電子クラフト部
代表

福田和宏(ふくだかずひろ)さん

株式会社飛雁代表取締役。工学院大学大学院電気・電子工学専攻修士課程卒。「サッポロ電子クラフト部」の代表として、ものづくりに興味のあるメンバーたちと作品の製作や展示イベントに取り組む。本業はライターで、主にコンピューターや電子工作、スマートフォンなどの記事や書籍執筆を手掛けている。

ものづくり経験者も初心者も、誰でも参加できる大人の部活。

「サッポロ電子クラフト部」は、ものづくりする人のコワーキングスペース「Creative Lounge SHARE」に入居しているメンバーが集まり、「電子工作を楽しむ部活動を始めたら面白いんじゃないか」と盛り上がり、2015年夏に活動をスタートしました。1シーズンが約5カ月間で、これまで7シーズン展開し、参加した人は40人以上。「Creative Lounge SHARE」のメンバーに限らず、誰でも参加でき、ものづくりの経験や知識がない初心者の方でも参加できます。活動は、隔週で集まり、話し合いや製作作業などを行っています。また、製作だけでなく毎回10分程度の簡単なセミナーを開催し、ものづくりの方法や新しいトレンド、技術などについて聴講できます。製作は、メンバー同士の共同作業でも、一人で行うのもOK。大学の先生やエンジニア、プログラマー、グラフィックデザイナー、クラフト作家…など、さまざまな分野のエキスパートの方が参加していますので、初心者の方でもアドバイスを受けながら製作することができるのです。

ユニークな作品の数々。展示イベントは市民との交流の場に。

これまでの7シーズンで作った数は34作品。中には未完成のものもありますが、大切なのは、やってみること、ものづくりを楽しむことです。例えば、共感を数字表示できる「いいねバッジ」、6本足で自在に動かせる「メタボット」などを製作。直近のシーズン7では、振ると空中に文字が表示される「スティック型バーサライタ」、液晶ディスプレーを2つ搭載して“他の人”になれる「希望を叶えるメガネ」、古生代の動物アノマロカリスを模した「カンブリアドローン」といった作品を作ってきました。製作した作品は、イベントなどに出展して、市民の方々に見てもらう機会を作っています。過去には、本部活が独自に開催した「サッポロ・クリエイターズ・ショーケース」、全国的に展示を展開する「オープンソースカンファレンス」、北海道大学で開催したイベント「テクノロジーアート展」などに出展。作品を作るだけでなく、作品を通して来場者と話すことができ、さまざまな意見をもらい、活動を広げるための出会いの機会となっています。

さまざまなジャンルが交流する、クリエーティブな人のつながりを。

サッポロ電子クラフト部には、実にさまざまな能力を持った方が参加していますので、一人では不可能なことでも、それぞれの得意分野の知恵を補うことで大抵の作品を完成させることができ、それが醍醐味でもあります。考えたこともないものを他の人が作っているのを見るのは、まさに驚きであり、子どもの頃の遊び感覚。作品製作の活動では、仲間と共にブラッシュアップする楽しさを味わってほしいですね。この部活動が、ものづくりを楽しむきっかけになればいいなと思いますし、今後は、ものづくりする人を広げるようなイベントを行っていきたいですね。電子工作、クラフト、美術…と、さまざまなジャンルの作品を幅広く展示し、人々が交流するような展開をしていきたい。ものづくりを通じて、クリエイティブな人のつながりを作っていきたいと思います。

(取材・文・編集 株式会社アウラ)
※2019年3月1日現在の情報です。