ドニワ部

土偶と埴輪にグッとくる大人の部活

土偶と埴輪で「ドニワ部」。縄文、古墳、土器に石器、そんなキーワードにピンときた人たちが集う、ユニークな部活の楽しみについて、代表の種田梓さんに話していただきました。

ものづくりから出会いと
楽しみの輪を広げていきたい

ドニワ部
代表

種田梓(たねだあずさ)さん

部室とされる「ぽかぽか温活カフェ ハラペコリンコ」オーナー。2017年10月にオープンしたお店は、カフェであり、各種イベントを開催できるスペースもあり。ここを切り盛りしながら、道産の農産物や加工品、道内作家の雑貨や作品の販売も行う。さらにフライヤーやパンフレット等の各種デザインもこなし、部のオリジナルグッズ製作にも携わる。

フェスに勉強会、イベントへの参加など、多彩な活動を精力的に展開。

ある時、友人たちとの雑談の中で、土偶や埴輪の形やキャラクターとしての面白さが好きだと話をしたところ、私も私もという声が上がり、部活を作ろうとなったのが始まりです。土偶と埴輪をテーマに、何かやろうと4人のメンバーでドニワ部を設立しました。私を含め、ものづくりが好きなメンバーだったので、まずは博物館や郷土資料館などで売っているようなミュージアムグッズを自分たちで作ろうということになりました。そこからグッズづくりの輪が広がり、年に1、2回「ドニフェス」というハンドメイドグッズの販売を核とした主催イベントを開くことに。また、日本書紀や古事記から縄文時代までを読み解こうと「超古代史ぜみなある」なる勉強会をしたりと部員同士の交流と土偶や埴輪への愛情を深めています。ここ数年は、北海道縄文遺跡群の世界文化遺産登録に向けた動きから、縄文文化が盛り上がってきていて、関連するイベントなどにもお声がけいただいています。

「共感する人はいないのでは?」を大きく裏切る、会員数は100人超えに。

当初は、部活を立ち上げたのはよいけれど、共感して部員になりたいという人はいるのだろうかと危惧していましたが、意外にも土偶や埴輪、考古学や歴史が好きな人は多く、老若男女、会社員に主婦、学生など幅広い層のメンバーが集まり、現在は100人ほどが会員になっています。ワークショップなどの定員は20人ほどですが、フェスや出張イベントには本当に多くの方が足を運んでくれています。運営スタッフも少し増員しました。私自身、デザインやものづくり、食関連の仕事の中でいろいろな人たちと出会ってきましたが、部活を始めるとその中では絶対に出会わないであろう多くの人たちとの出会いがあり、それがやりがいにつながっています。たとえば郷土資料館の学芸員さんと友人になったり、自治体の方々や大学の教授、旅行会社の社長さんと知り合いになれたり。そしてそれぞれに熱い思いがある部員の皆さんとの出会いが続いていて、皆でわいわい話すのが楽しいですね。

札幌を飛び出して、もっと深く、広く。やってみたいことはいろいろ。

今後はまず、より面白いものづくりや講座などのワークショップの開催回数を増やしていきたいです。近い将来には、道内外の古墳や遺跡巡りにも出かけたいですし、発掘体験や遺跡を会場にしたイベント開催、実際に土器を焼いてみたり、縄文時代の生活を再現するキャンプを子どもたちと楽しんだりと、やってみたいことのアイディアは尽きません。部員と一緒に企画を考えていきたいとも思っています。また、部活の運営を手伝ってくれるスタッフも募集しています。運営メンバーを中心に製作してきたオリジナルグッズも30アイテム以上になりましたが、まだまだ作りたいものはたくさんあります。楽しみながら活動を続ける中で、部員の皆さんはもちろんイベントに来てくれる方々に、札幌に竪穴式住居の跡があったり、小樽や余市に遺跡があったりと、自分たちが住んでいる街やごく身近な所に土偶や埴輪の世界が息づいていることを知って、興味を持ってもらえたらと思います。

(取材・文・編集 株式会社アウラ)
※2019年3月1日現在の情報です。