アイセック北海道委員会

大学生による主体的な取組で世界とつながる扉を開く

近年、訪日外国人や海外留学生などによる企業への研修生が増え、海外とのつながりが身近になってきています。大学生による海外インターンシップをささえる取組を行う、アイセック北海道委員会委員長の若松歩実さんにお話を伺いました。

アイセック北海道委員会 委員長 若松歩実さん

アイセック北海道委員会
委員長 若松歩実(わかまつあゆみ)さん

1999年函館市出身。高校時代は国際交流に憧れて過ごし、大学進学と同時にアイセック北海道委員会に参加し、2019年4月より委員長を務めています。現在小樽商科大学商学部3年生。

世界を変えるリーダーを、若者から輩出したい

―活動のきっかけ、立ち上げの経緯や想いについて教えてください

アイセックという組織は1948年にオランダで発足している国際経済商学学生協会で、世界の大学生による国際的な非営利教育組織です。第二次世界大戦を背景に、二度とこのような悲劇を起こしてはならないという想いから、世界を変えるリーダーシップを持った若者を輩出しようと海外インターンシップの運営を行っています。アイセックジャパンは同協会の日本組織として1962年に発足し、北海道エリアの大学生による地域組織として北海道委員会が組織されています。私がアイセックに参加するきっかけとなったのは、大学での新入学生を対象にしたサークル勧誘活動です。私は大学生活で何かに挑戦してみたい、人のためになることをしたい、国際交流に関わりたい、組織運営に関わるようなことに挑戦してみたいと考えていました。入会の説明会で活動内容を詳しく知り、挑戦したいことが揃っていたので入会を決めました。

―どのような活動をしていますか

海外インターンシップの運営です。日本の大学生に海外の企業やNPOでインターンをしてもらう送り出し事業と、海外の大学生に日本の企業でインターンをしてもらう受け入れ事業に分かれています。送り出し事業では、渡航国での就業体験先のマッチングのほか、インターンシップを希望する学生に対しての説明会を実施しています。説明会ではどんな国にどのような就業体験先があるのか、海外インターンシップで得られる経験やかかる費用などを知ることができます。また渡航後にトラブルに巻き込まれないための安全面のサポートも行っています。受け入れ事業では海外からのインターン受け入れ先を見つけるための企業訪問活動や、日常の買物に同行するなど生活サポートを行います。また、財務や広報、人事などの裏方の仕事もすべて学生会員が行っています。

世界を変えるリーダーを、若者から輩出したい (写真左)ミーティング中にメンバーで撮った写真
(写真右)日本のインターン生との面談

利他の精神と自己成長を目指して

―活動の魅力を教えてください

アイセックの魅力は大きく2つあります。まず1つ目は活動を通して自分自身が大きく成長できることです。アイセックの活動内容は実践的なものが多くあります。例えば、インターン生向けの説明会ではパワーポイントを使って効果的にわかりやすく説明するためのプレゼン資料づくりが求められ、実践を通じて、精神的にもスキル的にも大きな成長を遂げることができます。2つ目はインターン生の成長の手伝いができるということです。海外インターンシップを通して、たくましくなって帰ってきたインターン生の姿や「ありがとう」という声を聴くことができます。アイセックの海外インターンシップは人生の岐路や原体験となる可能性を持っており、そんな瞬間に貢献できるということが大きな魅力となっています。

―どのように運営されていますか

2019年度は10人のメンバーで運営しています。委員長の任期は4月から翌年3月の1年間。12月から次年度の事業計画や予算を策定し、4月より事業を実施、年度末には年間事業報告や決算を総会で審議します。活動費は会費と賛助企業からの寄付、インターン生から徴収する参加費で運営しています。運営の特徴としては代表者を決めるために委員長選挙があることです。私たちが加盟するアイセックジャパンは全国の都道府県に25委員会を組織しています。北海道委員会はアイセックジャパンを構成する一委員会となります。委員長はアイセックジャパンの理事会に出席し、上程される年度の事業計画や予算、事業報告や決算についての決議に参加します。

大学生の国際交流を支える活動通じて視野を広げる

―どんな方々が参加されていますか?

北海道内の大学生が参加しており、中心となっている大学は北海道大学、小樽商科大学、北海学園大学の3つです。もちろん他大学の学生も参加しています。大学生活で何かに挑戦したい、人と違ったことをしたい、自分を変えたいといった想いを持つ学生が多く参加しています。

―実際参加された方の感想を教えてください

「メンバー、社会人、インターン生といろいろな人と出会うことができ、視野や考え方が広がった」「海外のインターン生のサポートをする中で、英語を使い、実際に海外の人とコミュニケーションをとる経験ができた」「自分自身を見つめることができ、成長することができた」「就職活動に役立った」という声をいただきました。

大学生の国際交流を支える活動通じて視野を広げる (写真左)海外のインターン生との交流も楽しみのひとつ
(写真右)インターン受け入れ企業への営業の様子。これまで札幌市内のIT企業や幼稚園などが受け入れ先に
参加方法について

参加対象/北海道内の大学生、大学院生

申し込み方法/メールにてご連絡ください

活動頻度/毎週金曜日にミーティングを行うなど

参加費用/半期5,000円

いっそう身近になってくる国際交流を支えたい

―今後の目標を教えてください

北海道の若者が挑戦できる場所であり続けたいと思います。実は近年、運営メンバーが減少しています。海外からの観光客が多く訪れるようになり、国際交流が今以上に重要になってきます。そういう時代に対応していくためにもまずは2020年度、多くのメンバーを集めて組織を大きくし、よりたくさんの海外インターンを行えるようにしていきたいと考えています。

特定非営利活動法人アイセック・ジャパン 会員団体 アイセック北海道委員会(団体ページへ)

アイセック北海道委員会
■ 代表者 若松歩実
■ 住所 北海道札幌市豊平区旭町4丁目1-40
北海学園大学文化協議会内
■ 電話 080-5830-1689
■ FAX なし
■ 活動時間 毎週金曜日 19:00~22:00
■ メール hokkaido@aiesec.jp
■ ホームページ http://www.aiesec.jp/
今後の開催予定

2020年度の事業に向けて委員会活動を随時行っています。

取材を終えて

取材を通して、国際的な組織で規模も大きく大学生が主体的に活動している様子がわかり、運営方法や組織形態が整っているように感じました。大学生時代において海外での就業体験はとても大きな原体験。その原体験のきっかけを提供する活動について話す若松さんから、そのやりがいがひしひしと伝わってきました。

(取材・文・編集 株式会社Mammy Pro)
※2019年10月16日現在の情報です。