みちのくkids

被災した子ども達との交流通じて、互いに成長。育む笑顔

東日本大震災の影響によって札幌に避難、移住してきた家庭の子どもたちを対象にイベントを開催し、学習やレクリエーション活動を行うみちのくkids代表、藤井柚花さんにお話を伺いました。

みちのくkids 代表 藤井柚花さん

みちのくkids
代表 藤井柚花(ふじいゆか)さん

札幌市出身。高校3年生のとき発生した東日本大震災を受け大学進学後、なにか被災した子どもたちの支援ができないかと考え、みちのくkidsの活動に参加。学生時代の2013~2014年に代表に就任、団体の活動主体が社会人となった2019年より再び代表として活動しています。大学卒業後は幼稚園で教諭を務めています。

札幌を、避難してきた子どもたちのホームタウンに

―設立のきっかけを教えてください

2011年6月11日、当時札幌の大学生だった初代代表、中脇まりやさんの「東日本大震災を機に札幌へ避難してきた子どもたちを喜ばせたい。子どもたちのために私たちができることをしたい」という想いから、震災支援学生団体みちのくkidsは設立されました。2019年4月からは、学生団体からOBOG団体と形態を変え、活動を続けています。「東日本大震災の影響を受けて札幌に来た子どもたちを迎え入れ、札幌を震災後の第一歩を踏み出すためのスタート地点としてだけでなく、子どもたちがいつでも帰って来られる『ホーム』にする」という運営理念のもと、活動を行っています。

―活動の魅力を教えてください

東日本大震災から8年が経ち、私がみちのくkidsで活動を始めたときに3歳だった子が小学校高学年に、当時幼稚園児だった子は中学生になっています。活動を通してずっと関わっていくので、子どもたちの成長を間近で見ることができ、やりがいを感じます。また、私たちが実施するイベントはすべて手づくり。一から内容を考え、企画立案、実施まで自分たちで行うので、企画力が培え、達成感を味わえる点も魅力だと思います。

札幌を、移住してきた子どもたちのホームタウンに (写真左)宮の沢を拠点にした3日間の夏スクールイベントの様子
(写真右)2日間の冬スクール。スノーフラッグや雪中運動会などを行いました

学生による手づくりイベントでスタート。今では子どもたちが立案も

―どのようなイベントを開催していますか?

設立当初は学習支援や円山動物園見学など7日間にわたるスクールイベントを行ったり、余市町の自然の中での外遊びや農作物収穫体験などを盛り込んだ、遊びキャンプを実施したりしました。ここ数年は子どもの長期休みにスクールイベントを行い、それ以外の期間に季節の単発イベントを行っています。定山渓自然の村でのキャンプではカレーライスを作りや、アスレチック、ナイトハイキングを行いました。2018年は子どもたちが企画を立てたハロウィンイベントも行いました。

―どんな方が参加されていますか?

2011年6月設立時はイベント当日のみ参加して子どもと遊ぶ当日スタッフから、団体の運営を統括する事務局スタッフまで、すべてを札幌市内近郊の大学生や短大生、専門学生が担っていました。設立当時学生だったメンバーも社会人になり、2019年4月からはOBOGとして団体に参加し、運営を行っています。

運営通じて子どもたちと元気のキャッチボール、みんな笑顔に

―運営はどのように行われていますか?

概ね月に一度の会議を開き、イベントの企画立案や進捗状況の共有などを行っています。運営に関わるメンバーの中には社会人もいるため集まることが難しい場合もあり、その際はオンラインで会議を行うこともあります。イベントは子どもたちの興味関心を引けるものとなるようアイデアを出し合って決定し、イベントごとに中心となる担当者を割り振って運営しています。

―参加された方の声を聞かせてください

イベント運営に関わってきたメンバーからは「子どもたちと遊んであげる楽しさだけでなく、子どもたちに遊んでもらう楽しさもあり、お互いに元気に、笑顔になれる」「『札幌のお兄さんお姉さん』として成長を見守ることができる素敵な時間」「これからも、どんどん成長していく子どもたちに関わっていきたい」、当日ボランティアのメンバーからは「日常生活で子どもと関わることがないため、楽しい時間を過ごすことができた」「子どもが元気で、そのエネルギーに触れることで元気をもらえた」という声をいただきました。

運営通じて子どもたちと元気のキャッチボール、みんな笑顔に (写真左)2019年2月の「みちのくポカポカおとまり会」の様子。初めて参加した時から毎年参加してくれている子もいます
(写真右)2019年12月のクリスマス会では、3品のクリスマス料理をみんなで作って食べました
参加方法について

参加対象/札幌および札幌近郊の大学生や社会人

申し込み方法/メール、Facebook、Twitter

活動頻度/不定期

参加費用/特になし、ただし場合により交通費などイベント当日の経費実費負担あり

*活動期限の関係上、現在は新規の参加は積極的に求めていません。

震災から10年の節目に向かって、成果や課題を精査し社会に発信

―今後の目標を教えてください

時間が経つとともに子どもたちも成長し、求められる支援の在り方も変わってきます。震災から10年の節目となる2021年3月に向かって、みちのくkidsに参加する子どもたちの居場所づくりを進めていきたいと考えています。大きくなった子どもたちが、ストレスのない環境を自らつくっていけるようになれることが理想ですね。そのうえで、これまで私たちが行ってきた東日本大震災の支援を通じて得た成果や課題などを整理、分析し、今後の社会に役立つさまざまな情報を発信していくことも大切だと考えています。

みちのくkids(団体ページへ)

みちのくkids
■ 代表者 藤井柚花
■ 住所 なし
■ 電話 なし
■ FAX なし
■ 活動時間 不定期
■ メール michinoku.kids@gmail.com
■ ホームページ https://ameblo.jp/michinoku-kids/
■ Facebook https://www.facebook.com/michinokukids2011/
■ Twitter ID https://twitter.com/michinoku_kids?lang=ja
今後の開催予定

未定。詳しくは公式HPをご覧ください

取材を終えて

震災をきっかけにそれぞれの事情で移住を余儀なくされ、複雑な葛藤を抱えながらも成長している子どもたちは、いろんなことを理解できる年齢になりました。これまでの関わりのなかで子どもたちもみちのくkidsメンバーの背中を見てきていると思います。そこに継続的に行われる活動への大きな意義があると感じました。

(取材・文・編集 株式会社Mammy Pro)
※2019年10月16日現在の情報です。