北海道カーリンコン協会

笑顔、元気、仲間づくり。カーリンコンで広げる健康の輪

カーリングで氷上を滑らせるストーンの代わりに、合成樹脂製のディスクを床に投げて得点を競い合う室内競技「カーリンコン」。気軽にできることから、運動不足になりがちな高齢者の間で関心を集めています。道内での競技普及に取り組む北海道カーリンコン協会会長の葛西尚之さんにお話を伺いました。

北海道カーリンコン協会 会長 葛西尚之さん

北海道カーリンコン協会
会長 葛西尚之(かさいなおゆき)さん

現役時代は民会企業の営業職で活躍。休日は登山やゴルフなどアクティブに過ごしていたそう。60代からカーリンコンを始めて、現在は日本カーリンコン協会認定トータルコーディネーター・インストラクターとしても活躍しています。

まだまだ知られていないカーリンコンの楽しさ、もっと広げたい

―設立のきっかけを教えてください

介護予防や健康寿命を少しでも伸ばそうと、全国的に地域包括支援センター、障がい者施設、老人会でカーリンコンが取り入れられつつあったことから、指導者の育成や競技の普及、大会開催による技術向上、競技の魅力向上を目的に前会長が2011年に立ち上げました。私自身は50代半ばで病気を患い、健康的な身体づくりのために2012年に健康生きがいアドバイザー講習会の中でカーリンコンの体験会に参加しました。カーリンコンへの面白さを感じたため、すぐにインストラクター講習会を受講し、資格を取得しました。身体の状態は180度好転。現在は多くの方にカーリンコンの楽しさを知ってもらおうと活動しています。

―活動内容を教えてください

カーリンコンの普及活動を行っています。札幌市介護予防センターや老人クラブ、自治体などへの出前教室、練習会、研修会のほか、「カーリンコンを楽しむ会」を札幌エルプラザや老人福祉センターなどで定期的に開催しています。また、指導者育成としてインストラクター資格認定研修会も行います。2018年度は札幌市の「さぽーとほっと基金」の助成を受け、東日本大震災被災者支援活動として陸前高田市での交流大会などを開催しました。

まだまだ知られていないカーリンコンの楽しさ、もっと広げたい (写真左)競技は1チーム3人で行われます。プレイ前に握手をしてスタートです
(写真右)床を滑らせるようにディスクを投げて、ポイントのそばを狙います。皆さんフォームがとてもきれいです

子どもからお年寄りまで、競技を通じて多世代交流も

―カーリンコンとはどのようなスポーツですか?

氷上で行うカーリングと似ている競技です。幅3m、奥行き10mのコートに赤、緑それぞれ6枚のディスクを互いに投げ合い、どちらがポイントに近づいているかを競う競技です。手軽で道具も安価。場所を取らず室内で行うので天候や季節にも左右されません。年齢を問わず、体の不自由な方ともゲームを通じて交流ができる点が魅力です。

―運営はどのように行われていますか?

会長、副会長、事務局役員で組織を運営しています。会員の会費は体験会や講習会などの運営費に充てられており、役員は全員ボランティアで運営にあたっています。年に一度総会を行い、事業報告を行っています。また、ホームページにて講座や出前教室の開催予定を告知するなど情報発信を行っています。

だれでもすぐに始められる手軽さ、駆け引き、笑い、和気あいあい

―どんな方が参加されていますか?

高齢者に限らず健康な体を維持しようという方々が多く参加しています。会員は現在80人ほどで最高齢85歳の方も競技に参加しています。初めてまだ1か月の方や協会設立当初から参加している方が一緒にチームになってプレイします。チーム決めはくじ引きで行うため、技術や経験などバラバラですが、皆さん和気あいあいと楽しんでいます。

―「カーリンコンを楽しむ会」参加者の声を聞かせてください

「駆け引きもありとても頭を使うスポーツです。コートによって床の状態がタイルやフロアなど異なり、楽しみも倍増します」「狙ったところにまっすぐディスクを投げる動作は体感が鍛えられます」「知らない人でも同じチームになると仲良くなり、笑いが絶えません。笑いこそ健康の秘訣です」「競技に参加するだけじゃなく、インストラクターの資格も取れるので、楽しさをもっと多くの人に知ってもらうために自分も協議普及に貢献したい」という声をいただきました。

だれでもすぐに始められる手軽さ、駆け引き、笑い、和気あいあい (写真左)「地域の介護センターの転倒防止教室でカーリンコンを知りました。まだ初心者ですが来月には大会にも出るつもりです」と話す、最高齢のメンバー
(写真右)競技道具。樹脂製の6枚のディスクとポイントディスクを使用します
参加方法について

参加対象/どなたでも参加可能

申し込み方法/電話、FAX

活動頻度/週一回例会、また定期的にカーリンコン教室も行っています

参加費用/協会員は年会費1,500円、同好会は入会金1,500円、年会費が6,000円

競技人口の拡大目指し、若者も参加できるスポーツへと進化させたい

―今後の目標を教えてください

カーリンコンの知名度を上げたいです。そのためにはまず愛好者、協会員を増やしたいですね。全道でインストラクター数は現在280人。競技人口は約2000人。それぞれ目標を1000人、5万人と定め活動を推進していきたいと考えています。その先に北海道知事杯大会を開催し、シニアスポーツ大会への参入も目指しています。組織としてはNPO法人格への移行も視野に入れています。ぜひ若者にも参加してもらえるスポーツ競技へとすそ野を広げていきたいですね。

北海道カーリンコン協会(団体ページへ)

北海道カーリンコン協会
■ 代表者 葛西尚之
■ 住所 札幌市東区北46条東3丁目1-26
■ 電話 011-751-8756
■ FAX 011-751-8756
■ 活動時間 月~土 10時~17時
■ メール pika-pika103@khc.biglobe.ne.jp
■ ホームページ http://hokkaidocurlinkon.com
今後の開催予定

カーリンコン講座、出前教室、例会は随時開催しています。最新スケジュールはホームページをご覧ください

取材を終えて

取材当日、実際に1ゲーム参加させていただきました。初めこそ力加減が難しく感じましたが、ディスクがフロアを滑る感触がわかってくるといつの間にか夢中になっていました。相手やチームメイトの投げたディスクの位置で状況が刻々と変化し、競技の奥深さを感じました。

(取材・文・編集 株式会社Mammy Pro)
※2019年10月16日現在の情報です。